公正証書遺言は、公証人に遺言書作成を依頼する方法です。
公正証書遺言は、
@ 遺言者が、公証役場に出向き、
A 証人2人以上の立会いを受けて、
B 遺言者が遺言内容を口述すると、公証人がその内容を筆記して、
C 筆記したものを公証人が、遺言者および証人に読み聞かせ、
D 遺言者及び証人が、筆記内容が正確なことを確認したあと各自が署名押印し、
E 公証人が、方式に従って作成された旨を付記して署名押印する。
という手順に従って作成される遺言です。
公正証書遺言の原本は、公証役場で保管され、公証人から遺言者に公正証書遺言の正本と謄本が渡されます。 なお、正本については、遺言執行者が指名されているときは、遺言執行者が保管します。
公正証書遺言は、遺言書原本が公証人によって筆記・保管されるため、紛失・偽造・変造・隠匿などの危険はなく、最も安全確実な遺言です。 また、遺言者の死後の検認手続も不要です。
遺言書を作成するに当たり、証人を2人以上お願いしなければならないとか、確認のための書類を準備する必要があります。
公証役場に持参するものとしては、次のようなものがあります。
@ 本人と相続人との続柄わかる戸籍謄本
A 本人の印鑑証明書と実印
B 相続人以外に遺贈する場合には、その人の住民票
C 遺産に不動産があるときは、登記簿謄本及び固定資産評価証明書など
D 遺言書作成の手数料
E 証人は認印を持参
証人については、以下に該当するものは証人になることができません。
@ 未成年者
A 推定相続人、受遺者およびその配偶者並びに直系血族
B 公証人の配偶者、4親等内の親族、書記および雇い人
遺言内容が外部に漏れないようにするためには、行政書士など守秘義務のある専門家に証人を依頼すべきです。
本人が病気等で公証役場に出向けないときは、公証人に出張してもらうこともできます。
遺言書の作成費用については、目的の価額によって異なってきます。
目的の価額 |
手 数 料 |
100万円以下 |
5,000円 |
100万円超200万円以下 |
7,000円 |
200万円超500万円以下 |
11,000円 |
500万円超1,000万円以下 |
17,000円 |
1,000万円超3,000万円以下 |
23,000円 |
3,000万円超5,000万円以下 |
29,000円 |
5,000万円超1億円以下 |
43,000円 |
1億円超3億円以下 |
43,000円に5,000万円ごとに13,000円を加算 |
3億円超10億円以下 |
95,000円に5,000万円ごとに11,000円を加算 |
10億円超 |
249,000円に5,000万円ごとに8,000円を加算 |
手数料は、相続人、受遺者毎に価額を算定して、合計した金額となります。
公証人が出張して公正証書を作成するときは、目的の価額の手数料が5割増しとなります。 この他に、旅費(実費)、日当(1日2万円、4時間まで1万円)が必要となります。
公正証書遺言の場合は、公証人が原本を保管するため、紛失や変造の心配もありません。
どのような遺言書にしたらよいかお迷いの場合や内容が複雑な場合は、ご相談ください。 ご一緒に考えたり、原案を作成いたします。
公正証書遺言のサンプルを下記に示します。
平成○○年第○○号
遺言公正証書
本職は遺言者の嘱託により、後記証人2名の立会いのもとに遺言者の口述を筆記してこの
証書を作成する。
遺言の本旨
札幌市中央区上田1丁目2番3号
無 職
遺言者 北 海 太 郎
昭和○○年○月○○日生
第1条 遺言者は、遺言者の所有する下記の土地及び建物並びに遺言者名義の預貯金、
有体動産その他一切の財産を、遺言者の妻北海花子(昭和○○年○月○○日生)に
相続させる。
記
(土 地)
所 在 札幌市中央区上田1丁目
地 番 2番34
地 目 宅 地
地 積 ○○○.○○平方メートル
(建 物)
所 在 札幌市中央区上田1丁目2番
家屋番号 34番7
種 類 居 宅
構 造 木造鋼板葺2階建
床面積 1 階 ○○.○○平方メートル
2 階 ○○.○○平方メートル
第2条 遺言者は、この遺言の遺言執行者として次の者を指定する。
札幌市厚別区青葉町5丁目2番55号
行政書士 山 畑 f
昭和○○年○月○日生
本旨外の事項
遺言者北海太郎は、印鑑証明書の提出により人違いでないことを証明させた。
札幌市厚別区青葉町5丁目2番55号
行政書士
証 人 山 畑 f
昭和○○年○月○日生
札幌市厚別区青葉町1丁目12番5号
行政書士事務所補助者
証 人 鈴 木 一 郎
昭和○○年○月○日生
以上のとおり読み聞かせたところ、一同はその記載に誤りがないことを承認し次に
署名押印する。
遺言者 北 海 太 郎 印
証 人 山 畑 f 印
証 人 鈴 木 一 郎 印
この証書は平成○○年○月○○日本職役場において民法第969条第1号ないし第4号
の方式にしたがい作成し、同条第5号に基づき本職次に署名押印する。
札幌市中央区北1条西8丁目2番地
札幌法務局所属
公証人 川 端 俊 介 印
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