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 ■相続手続&相続相談−>特別受益と寄与分


  共同相続人のなかに特別受益者がいたり、寄与分権利者がいるときは、相続分が修正変更されます。

1.特別受益制度 民法903条

  特別受益の制度は、相続人間の公平を図ることを目的とする制度です。

  共同相続人のなかに、特別受益者となる

  a) 被相続人から遺贈を受けた者
  b) 結婚や住宅取得のために贈与を受けている者
  c) その他生計の資金として贈与を受けている者

 が存在する場合には、その贈与分を特別受益財産として被相続人の遺産に加え、その合計額を相続財産とみなします。

【特別受益者の相続分の計算式】

 相続時の財産価額+贈与の価額=みなし相続財産
 (みなし相続財産×相続分率)−遺贈・贈与の価額=特別受益者の相続分

@ 受贈財産の滅失・毀損
  相続や遺贈によって財産を取得した者が、被相続人の生存中に受贈財産を故意または過失により滅失
   、毀損させた場合であっても、当該財産は持ち戻しの対象となります。
  但し、善意・無過失で滅失、毀損した場合には、当該財産は持ち戻しの対象とはなりません。

A 持ち戻し財産の評価時期
  持ち戻し財産の額は、相続発生時の額に引き直して計算します。

  例えば、相続開始時の10年前に贈与された財産が100万円であっても、相続開始時に500万円と評価されたならば、500万円を持ち戻すことになります。
  
2.寄与分制度 民法904条の2

  寄与分制度も、相続人間の公平を図ることを目的とする制度です。

  共同相続人のなかに相続財産を維持増加するうえで特別に寄与した者(寄与分権利者)がいる場合には、その相続人は、遺産分割の際に他の共同相続人に優先して、遺産から寄与分(相続財産の維持増加分)を受けることができます。

【寄与者の相続分の計算式】

 相続時の財産価額−寄与分=みなし相続財産
 (みなし相続財産×相続分率)+寄与分=寄与者の相続分

@ 寄与分の利益を受ける者
  寄与分の利益を受けれるのは、共同相続人のみで、内縁の妻や長男の嫁が特別な寄与をしていたとしても寄与分の対象にはなりません。

A 寄与が受けられる程度
  通常の家事労働や看護などでは、寄与分は認められません。

  具体的には、長期の家事・看護を行っていた配偶者に平均賃金相当額によって寄与分を算出したり、無報酬で家業を手伝い維持・繁盛させた場合に寄与分を算出したりします。

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